スピナーベイトの不思議。


 スピナーベイトは理解しがたいルアーです。
 誰が見たって何か生物に似ているとは思えないし、引いてみても際立つアピールがあるわけでもない。でも釣れる。釣れる時にはスピナーベイトでしか釣れない状況というものが確実に存在する事を実感するほどの釣れ具合を味わわせてくれます。
 スピナーベイトを構成する部品は主に、1、ブレード。2、アーム。3、ヘッド(フック含む)。4スカートです。この4つの組み合わせがスピナーベイトに無限のバリエーションを与えています。
 ブレードは単にウィローリーフ、コロラド、インディアナと見ただけでもバイブレーションやフラッシングに大きな違いがあります。簡単に言えばコロラドがもっともバイブレーションが大きく、インディアナが次ぎ、ウィローが最も小さくなります。引き抵抗はこれに準じ、フラッシングはこの逆になります。これ以外にもメーカーによる細かな違いを上げたら切りがありません。
アームは基本的には、細く、長いほどバイブレーションが大きいのですが、細過ぎれば当然強度不足になり、長いほどブレードのバイブレーションはヘッドに伝わり難くなります。また、小さくまとめたほうが野池向きのスピナベになります。
 ヘッドは、高重心タイプ、低重心タイプがあります。高重心なほどストラクチャーにヒットした時にバランスを崩し、フラッタリングし易くなります。ただし、その分根掛かりし易く、早巻きに向かなくなります。低重心タイプはすり抜けが良く、泳ぎが安定しているので巻きスピードを選びません(主流はこのタイプ)。フックの取り付け角度が水平の場合、フッキングは良いのですが、ばらし易くなります。針先が下に向くようにセットするとフッキングにやや難点が出ますが、ばらし難くなります。
 スカートはカラー、長さ、形状、ヘッドへの固定方法などでやたらと種類があるのですが、こればかりはどのような効果があるのかは良く分かりません。あまり量が多すぎると空気抵抗が大きくなり過ぎて飛ばなくなるという問題は指摘できます。
 この様に、一見単純なスピナーベイトも釣果に繋がる様々な要素が絡み合って出来ています。これを取捨選択して市販のスピナーベイトは作り上げられている訳です。このため、スピナーベイトほど各社の思想が現れる物はありません。比べてみると面白いです。
 スピナーベイトは基本的に早巻きで使うものです。高いスナッグレス性能を活かしてカバーに投げ込み、早巻きでカバーから出る瞬間にバスがリアクションバイトしてくるというのが使い方の基本になります。この場合、ブレードはフラッシングに優れたウィローが良く、ヘッドは高重心でカバーにヒットした瞬間にフラッタリングしたほうがバイト誘発効果が上がると考えられます。
 しかしながら、これ以外にもオープンウォーターを引いてきても釣れるのがスピナーベイトの面白い所です。この場合もやや引きスピードは早目が良く、ブレードはタンデムかシングルコロラド。ヘッドは安定して泳ぐ低重心タイプがいいでしょう。
低活性時にはボトム近辺をスローロールするのも非常に効果的です。この場合、ブレードはシングルコロラド。ヘッドは低重心タイプが良く、全体的なシルエットが小さいものを選ぶと良いでしょう。
 時によって、なぜだか分からないけどスピナベでしか釣れないという時がありますが、理由は良く分かりません。ただ言えるのはそういう時はプレッシャーがやや高めの時が多く、それでいてバスの活性がそれほど低くないと思える時に多いです。これがスピナーベイト使いこなしの鍵になるかと思います。
はっきり言って、去年まで僕はスピナベをまるで信用していませんでしたが、今年は大好きになりました(笑)。でも、未だに僕の中では謎だらけのルアーです。いつか完璧に使いこなせるようになったらなぁ、と思います。

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