空想科学バス釣り

  自分で動いてバスを見つけ出すルアーはあったらいいな、と誰もが思う。

  着水と同時にソナーとカメラでバスをキャッチ、超小型モーターで自泳してバスの所に向かい、バスの前でアクションを演じる。うーむ、アングラーはする事無いぞこりゃ。

  しかし、実際にこのようなルアーがあったとしても、バスがバイトしてくれるとは限らない。嫌がって逃げるバスをストーカーのように追尾するルアー…。終いには体当たりしてバスを仕留めるとか…。何かが違う。

  水の上を歩ける靴も欲しい気がする。野池では最強だろう。葦までちょこっと歩いて行って、際をピッチングで撃って行ったり、オーバーハング下の側まで歩いて行ってスキッピングしたり。如何にも楽しそうだ。

  ただし、調子に乗って湖の沖まで歩いて行ったら、強風高波に阻まれて帰ってこられなくなったり、ファイト中にバランスを崩して転倒、そのまま水没したりと事故が続出しそうな気もする。

  ボタン一つで固さやテーパーや長さが調節出来るロッド、目にも見えないほど細いのに絶対切れないライン、どんなに軽い物を投げても絶対にバックラッシュしないリール、があれば、究極のバーサタイルセットが可能だ。…作れてもメーカーは作らないだろう。タックルが1セットしか売れなきゃ儲からないもの。

  ラフな使い方をしても絶対に折れず、それでいて羽毛のように軽いロッド。というのは理想のロッドである。現在の技術では丈夫にしようとすると重くなり、軽くしようとすると脆くなる。グラスロッドのようにしなやかに曲がり、それでいて高感度のロッドというのも夢である。このあたりはカーボン以上の素材が開発されれば、もしかしたら実現されるかもしれないが。

  ありそうでないのがフローターで使える水中モーター。フローターでひたすら足を漕いでいると、何で誰も作らないのかと腹立たしくなったりもする。ポケットに入るほど小さく、軽く、それでいて一日中使ってもOKなバッテリー。これも凄く欲しい。ボートを選ばずセット可能ですごく軽いフットエレキ、ウルトラ高性能で防水なポケット魚探も、多分現在の技術で可能だと思うのでどこかで作って欲しい。

地味な部分では、完全防寒、防熱、防水のジャケット。真夏や真冬に釣りをすればこれが意外に馬鹿に出来ない、切実な思いである事が理解して頂けるかと思う。ついでに、汚れがすぐ落ちれば完璧である。装着したままサミングが出来る手袋、落水の瞬間ボート型に膨らんで濡れずに済むライフジャケットなんかもちょっと欲しい。オカルトになってしまうが、中身が減らない水筒もあったらいいなと思う。釣り場の水を汲んだら瞬時にそれを浄水して飲み水に変えてくれるコップでもいい。

  真剣に欲しいのが、完全防水のカメラ付き携帯電話。水に浮いてくれれば完璧である。何でないのだろうか、というか、がんばれメーカー。山奥でも必ず繋がるようにしてくれれば更に良い。

  バスだけが嫌がる音とか臭いを出す装置が作れたらなぁ、と思う。そうすれば水域の一部分にバスが入れないエリアを作り出す事が出来、バスを駆除する事無く在来希少魚種とのゾーニングが可能に成るのだが。




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