初めて釣ったバス

  
初めて釣ったバスは体長約15cm。オイカワよりも小さなバスでした。

 多分8年くらい前。近所の野池。ロッドはいんちきなテレスコピック(昔鯉釣りとかに使っていたものだが一応ルアーロッド)、リールはダイワ・カーボストライカーST10という変形スピンキャストリール(これは今でも使っている)。ラインはリールを買った時についてきたいんちきなライン(糸よれまくり)。

 ブラックバスっちゅー、なんか魚食っちまう魚が近所の池にいるというので(笑)、行ってみると、確かになんか見慣れない小さな魚が泳いでいます。カインズホームに行き、ワームフック(ストレート)とジグヘッドとワーム、それと小さなクランクとバイブレーションを買ってきて、弟と共にその池へ。
 まずはルアーって物はどんなアクションをするのか見たかった僕は、「ルアーといえばこれでしょ!」と、クランクをいい加減に結んで、えい!とキャスト。…ルアーって飛ぶんですね。対岸に引っ掛かり、あっさりロスト。

 仕方が無いのでバイブレーションをセット。今度は軽く投げるとルアーは無事に水中へ。しかし今度は根掛かり!あっさりサヨウナラ。…なんと言う金のかかる釣りである事か。

 仕方が無いので今度はストレートフックをリグって、ワームをセット。ところが、鯉釣りや雑魚釣りに親しんできた僕からしてみれば、このフックが異様にでかい。ワームを、ミミズを針に付ける要領でセット。キャストすると、なんとこれが沈まないのですね(種類は忘れたがフローティングワームだったのです)。なるほど、見慣れないフック(ジグヘッド)はそんな理由で存在するのか。合点が行った僕はジグヘッドに付け替えてキャスト。と、今度は沈みが早すぎる(僕的には鮒釣りの餌が沈降するくらいの速度で沈降して欲しかった)!仕方が無いので、ジグヘッドの重りをはさみでちょっとずつカット。ちょうど良い沈降速度になるまで調節して、ようやく釣り開始。

 すると、ジグヘッドを子バスが追いかけてくるのが見える訳です。しかし見ていると、まぁこれがワームの方が大きいのではないかと言うお魚。バスというのは小さいんだなぁ、と思った僕はここで、買ってきたルアーが果たしてバス用なのか?という重大な疑惑を抱いた訳です(笑)。

 そこで、市販のリグを信用するのは止めにして、まず、黒鯛針をセット。そして、ワームを半分に切り、割りビシをラインにかませました。まぁ、スプリットショットですね(そんな名前は知らない)。そして、目の前の見えバスにキャスト。何度かトライしていると、一匹がワームに食いつきました。即座にフッキング(とは行っても鯉釣りの合わせで慌てずに竿を立てただけ)。何の抵抗も無く上がってきたバスが正真正銘生涯最初のバス君。今となっては記憶が定かではありませんが「えらく小さなお魚」であった事だけは確かです。ちなみにその日はそれしか釣れませんでした。

 その後半年ほど、思いついては一応バス釣りに行っていたものの、半分は坊主。釣れても15cm。はっきり言って何にも面白くなかった僕はそれっきりタックルを倉庫の奥に仕舞い込み、バス釣り(というか釣り)を止めてしまいました。

 月日は流れたある日、弟が近所の池でバスがたくさん釣れると言い出したわけです。それで僕を誘ってきた訳ですが、昔の思い出がある僕はあまり乗り気ではありませんでした。

 しかし、弟があまりに楽しそうなので、僕も昔のタックルを引っ張り出し(ルアー関係は弟に盗まれていた(笑))、ルアーを数種購入し(スプーンとか)、池に行ってみると、なんと極普通に釣れるではありませんか。サイズも昔よりも上がって20cm台。まぁまぁ面白いと思った僕は週末にたまにバス釣りに行くようになったのです。

 ある日、弟達が茨城の小貝川に遠征するというので僕も同行する事にしました。行ってみるとテトラ地帯で、とりあえず僕は当時覚えたばかりの4インチカットテールのワッキーリグを沖に向かってキャスト。しかも一つのテトラにどっかりと腰を下ろしてひたすらシェイク(笑)。
 すると、スッとラインが走ったのです。少し溜めて、昔よりはバス釣り風のフッキング!その瞬間ロッドは大袈裟なほどぶち曲がり(ロッドがしょぼかったんです)、経験した事の無いようなトルクフルな引き、そしてジャンプ!

 かなりパニックになりながらキャッチしたバスは32cm(何と初の30UP)。今思えば川バスだからでしょうが、あんな引くバスを釣ったのは初めてでした。そして、在来魚にはないあの口(今まで釣っていたバスは未だ口も小さな子バッチだったという事をこの時初めて知った)に震える指を入れ、バス持ちして写真を撮った瞬間、僕の中でバス釣りに対する熱い思いが目覚めたのです(笑)。

 それ以来バス釣りに嵌まって現在に至る訳ですね。


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