デカバスを追え!

 デカバスを釣るのはバサー永遠の夢である。
 自己記録よりも1cmでも1gでも大きなバスを釣るためなら千里の道を行く事も千尋の谷を下る事も厭わない。それがバサーという生物である(笑)。
 しかしながら、それだけにでかいバスを釣る事は簡単ではない。しかし、不可能ではない所にバス釣りの魅力がある。
 そもそも、でかいバスはなぜ釣れないのか?それは簡単に言えばでかいバスは数が少ないからである。そして、長く生きているだけに用心深い。カバーの奥で暮らしている事が多い。バサー及びルアーを見慣れている。といった理由もある。
 まず、でかいバスを釣るためにはでかいバスがいるフィールドに行かなければならない。いない居場所では当然どんな腕のいいバサーでも釣れん(笑)。更に言えば、でかいバスが一杯いて、簡単に釣れるフィールドに行くべきである。そんな楽園はそんなにあるものではないが、時と場合によってはない事も無い。そういった場所では自己記録級のバスが案外簡単に釣れたりするものである。
 しかしながら、狭い野池に潜む「ヌシ」を仕留める事もバス釣りのロマンである(笑)。楽園のような場所でもそこの平均サイズよりも大きなバスを釣る事はやはり簡単ではない。
 ところで、タイミングさえ合えば、でかい奴もレギュラーサイズと同じくあっさり釣れることがある。実はこれがデカバスゲットの最も簡単で多いパターンである。これはなぜかというと、でかいバスだって生物であるからには捕食活動を行わない訳には行かず。そういうタイミングにはやはり間違ってルアーに食いつく可能性も上がるからである。このため、冬ごもり明けの春、スポーニング明けの初夏、秋口などには意外に大きなバスが釣れる。朝マズメ夕マズメももちろん狙い目になる。
 意外な事を言うようだが、でかいバスはそのフィールドで最もいいポイントにいる。これは考えてみれば当り前の事で、でかいバスになればなるほど大量の餌が必要な訳であるから、ベイトフィッシュが溜まり易い一級ポイントに陣取っている事が多いのである。
 しかしながら、でかいバスは警戒心が強い。このため、アングラーが入れ替わり立ち代わり撃って行く事が多い一級ポイントからは、プレッシャーが高くなると即座に消えてしまう。このため、このようなポイントではプレッシャーの低い早朝、夜、雨の日などに狙いすました一撃をかますとデカバスが釣れる確率が高い。もちろん、自分で無用なプレッシャーを掛けない事は大前提になるが。
 一級場所から消えてしまったバスはどこに行くのかというと、2種類のルートが考えられる。1つは一級場所に隣接した2級場所に下がっている場合。インレットのシャローから下がって、ブレイクの下に落ちたり、岬の先端から下がって、岬に繋がるワンドにいたりする。葦の際にいたバスは更に奥に入っていたりする。このようなバスたちは一級場所に未練があるため食気があるし、一級場所で粘っているとたまに差してきたりする。こういうバスは前述した良いシーズンに多く、そこそこ釣り易い。
 もう一つのルートは、完全に食気を無くして超ディープに落ちてしまったり、ヘビーカバーの奥の奥に隠れてしまったりするルートである。こういうバスは残念ながら釣れない。ヘビーカバーの奥にいるバスの目の前にリグを突然差し込んでリアクションを期待するくらいしかない。この類型として、完璧にやる気を無くしてぼんやり浮いているデカバスというパターンがある。ハイプレッシャーのメジャーレイクに多いこのパターンに泣かされたアングラーは多いはずだ。こういうバスは残念ながら完璧にアングラーの存在を察知して、逆にアングラーの動きを観察しているのである。狙うだけ無駄なので止めたほうが良い。可能性があるとすれば、バスを前にしてもひたすらルアーを投げるのを我慢し、バスが少しでも食気のありそうな動作を見せたら速やかに、正確にルアーをキャストすることことしか思いつかない(中型のバス相手にならこの手で何度か成功した)。
 デカバスを釣るためのルアーについて考えてみよう。これには特にデカバスに効くルアーなどというものはない。よく、でかいバスには大きなルアーと言われるが、フライでだってでかいバスは釣れるので一概には言えない。ただし、でかいバスは魚食性が高いので、ベイトフィッシュが豊富なハイシーズンには魚型ルアーが多少は効果的であるということは言える。この際も、野池でビッグベイトを投げるのが有功かと言うとそうではなく、あくまでそのフィールドのベイトに合わせたルアーチョイスが有功となる。
 意外な事に、デカバスは食い易い餌を食うものなのである。このため、速い動きのルアーはあまり食いたがらない傾向がある。そのため、ゆっくり動かしてもバスに見切られ難いワームやトップウォーター&サブサーフェースルアーがデカバスに効き易いルアーとなるとは言える。ただし、ファーストムービング系ルアーは圧倒的にリアクションのルアーなので、きちんと使えばやはりでかいバスは釣れる。
 プロや上級者はあっさりでかいバスを釣ってきやがるので呆然とさせられるが、これは経験の蓄積ででかいバスが潜んでいそうな場所を瞬時に嗅ぎ分けられるようになっているからである。つまり、デカバスがいる場所と言うのは季節と時合いさえ読み切れば(これが僕らには難しい)意外に分かるものなのである。あとは適切なアプローチとルアーチョイスが出来ればデカバスは釣れたようなものである。…全然簡単じゃないじゃん(笑)。
 僕の自己記録は50UPに1cm足りない49cm。05年はこの壁を破る事が出来るでしょうか?



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