バス釣りと昼飯

 バス釣りに行くと必ず直面する問題。それが「昼飯をどうするか?」という問題である。
 釣り場のすぐ近くにコンビニなり食い物屋なりがあれば話はさほど難しくない。しかしながら、バス釣りのフィールドの中には人里離れた場所にある物も多く、食料を調達するのに車で何十分も走らなければならないこともある。特にボートを下ろした場合、いちいちボートを片づけるのか、盗難を覚悟で置き去りにするのか?という問題まで発生する。
 バス釣りに行った以上、一分、一秒でも長く、一投でも多くキャストをし、一匹でも多くのバスを釣りたいと願うのが真のバサーというものである。たかが昼飯に時間を割くのは惜しい。しかしながら腹が減っては戦が出来ぬ。
 弁当という手もある。朝、コンビニに寄って飲み物や食べ物をしこたま買い込んで釣り場に向かうのである。こうすれば、腹が減ったら食べれば良い訳で、時間も手間もそんなには取られない。
 しかし、この弁当方式には落とし穴がある。それは、荷物が増えるということである。特にオカッパリではこの弁当があるがために持っていけるタックルが減少し、釣りの幅を狭めてしまうことにもなり兼ねない。また、夏場には食べ物が腐ってしまわないか心配で釣りに集中できなくなるかもしれない。ボート釣行でも食べ物を入れておくクーラーボックスなどを積み込めばスペースは馬鹿にならないし、ついビールなどを積み込んで、釣りが水上宴会に代わってしまう危険性も秘めている。
 やはり、近所の店やコンビニに買い出しに行くのが望ましい。最近コンビニはどこにでもあるので、そんなに手間をかけずに食料調達が可能であろう。じゃんけんなり、あみだなりで負けたものが食料調達に向かえば他のメンバーは釣りが続けられる。ボートも盗まれないで済むであろう。午前中の釣果で負けたものが罰ゲームでお使いというのも面白い。
 しかしながらこのお使い方式も、お使いに行っている間に他のメンバーが爆釣したり、でかいのを釣り上げたりすれば、お使い番がひがんで互いにしこりが残るであろう。お使い番が出先でナンパに成功してドライブに出かけてしまい、帰ってこなかったりすれば他のメンバーが家に帰れなくなってしまう。この方法もやはり問題が残る。
 根性で昼飯を食わないという方法もある。しかしながら、バス釣りに行く際は早起きが常識であるから、しばしばバサーは朝飯を抜く。この上昼飯をも抜けばやはり体力的にきつくなるであろう。薮こぎ先で体力が尽きればマジで遭難してしまうかも知れない。自然を舐めてはいかんのである。
 現地調達という手も無くはない。ガスコンロ等を持ち歩き(たき火は危険なので禁止)、釣った魚を食うのである。水はフィールドには必ずあるのでろ過して飲めば良い。もっとも、バスを食うのは難しいので、他の魚を別に釣らなければならない。釣れなければ食えないので、バスを釣るよりも真剣になること請け合いである。ただし、腹を壊しても知らないよ。
 この様に、釣行時の昼飯は悩ましい問題である。個人的には弁当方式を採用することが多いが、みんなで釣り談義に花を咲かせながらラーメン屋というのもなかなか楽しい。ただしこの場合各々のその日の釣果に差があり過ぎると、竿頭が妬まれたり釣れていないメンバーが凹んだりするので、その辺が難しいところである。




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