バス釣りは数かサイズか?

 釣りというのは記録の遊びである。
 どんな魚を狙う釣り人も「俺は何センチ(アバウトにこんくらいの、というもの含む)の○○を釣ったことがある」という自己記録を即座に答えてくれる。その記録を仲間に自慢したいがために釣り人は大物を求めて止まないのである。
 同時に釣り人は「俺は1時間に○匹も釣ったことがある」というような、釣り上げた数に関わる記録も持っている。これは、ワカサギやアユのように数が釣れる魚と、チヌのように数が出ない魚とでは意味合いがやや違うが、これも釣り人の勲章の一つである。
 我らがバスも例外であろう筈が無い。
 バスは本来重さで競われるゲームフィッシュである。世界記録は約11キロ。日本記録は約9キロである(確か)。トーナメントも重さで競われ、公式記録はすべて重量表示である。これは、長さは測る人によってばらつく危険があるからであろう。一般的には2キロ以上のバスを釣れば一生自慢してもいい。4キロ以上のバスを釣ろうものなら、宴会を開いて祝わねばならない(嘘)。
 もっとも、一般的バサーは秤など持っていない。そのため、一般的バサーは自己記録を大概は長さで記録しているものである。上記日本記録のバスは体長69cmだったそうである。いわゆる40UPを釣り上げることはバサーの願いであり、50UPとなればバサーの目標。60UPに至ればバサーの夢となる。ちなみに、正式なバスの体長は「バスの下にメジャーを置き、口を閉じた下唇の先から尾鰭の一番凹んだ所までを測定する」のが正しい(らしい)。僕なんかは口先から尾鰭の最長端までを計っているので、いんちきな計測ということになる。まぁ、数字が大きくなった方が気分いいので気にしない気にしない(笑)。
 数に関しては、バス釣り的には微妙である。バスは、大きくなればなるほど釣り難くなる魚である。逆に、子バッチならばシーズンさえ外さなければなんぼでも釣れる魚であるとも言える。僕は04年390匹のバスを釣ったが、この内まず5割以上が30cm以下の子バッチであった。これではやはり自慢にならんのである。なにせキャナピーは1日に100匹釣ったことがあるくらいだし(これは如何に子バッチでも自慢になるかも)。しかしながら、04年度に釣った55匹の40UPは自慢になるであろう。これはなかなかに達成出来ない数字である(と自画自賛してみる)。やはりバス釣り的には、多くの子バッチよりも一匹のビッグワンの方が、価値が高い感じである。
 さて、世の中には60UPを年に10本も釣ってしまうというような信じられないバサーがいる一方で、50UPの壁の前に涙を飲んでいるバサーもいる(僕ね)。やはり50UPと49cmでは価値が違ってくるのである。家のあたりには50UPなんていないしねー、と言っている側からキャナピーに先を越されて悔しい思いをしたりした(笑)。こればかりは縁であるから仕方が無い。ちなみに関東では生涯50UP獲得数が二桁に乗ってしまう様なアングラーは神と崇められる(かもしれん)。
 もっとも本来、魚釣りは釣った魚との一期一会を楽しむ遊びであって、釣り上げたバスをランク付けして差別するのはどうかとも思うが、釣り師の性というものはどうしようもないのである。ただ、子バッチと見るや途端に扱いが乱暴になったり、適当にリリースしたりする人がいるが、それだけは止めて欲しい。また、子バッチは体力が無いので釣り上げたらなるべく早くリリースしてあげましょう。




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